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ジーっとしてても吹き荒れてやがるぜ…! -ウルトラマンZ 6話(とこれまでの)感想-

いやいや、ウルトラマンZが楽しすぎるでしょうよ…

6話にしてゼロとジードが出るのに加えてジャグラーまで最初から潜んでたんだけど、ハルキとゼット、ストレイジが食われてないしすっかり好きになれているという、驚異のバランス感覚で進んでるのがすごすぎる…

 

ざっくり序盤について

5話、6話とヘビクラ=ジャグラーバレ、ジード登場が続くことで既存キャラの登場に対して悲観的になる意見もチラホラ見かけるのも分かります。分かりますが…決して客演させて「わー!たのしー!」で終わらすような作りではないのではないかなと。

ストレイジの面々の人となりや、組織を取り巻く環境を、魅力的な特空機vs怪獣の特撮シーンで盛り上げながら丁寧に我々に見せてくれた1〜4話を経て、ここから縦軸を展開していく為の風呂敷を広げる5話から7話まで?の流れになるのではないでしょうか。

2話のネロンガが4話のウィンダム起動へ繋がるとか、ヘビクラ隊長の所作が常に含みを持たせた感じ等々、既に話を跨いだ展開が十分上手かったのですがやはり序盤は単発回としての趣きが強かったと思います。

 

ちなみにウルトラマンゼットというキャラクターの理解に関しては1話で大体できちゃうように作られてるんですよね。ハルキにいつでも話しかけてくる感じじゃないので会話してる時間としてはそんな長くないけど、掴みがしっかりしてたから視聴者のイメージは結構共通してるんじゃないかしら。うまい。

 

ヘビクラ ショウタ=ジャグラス ジャグラーについて

そんな中、5話という早さでジャグラーその人であることをバラしてきたヘビクラ隊長。

ジャグラーの闇(M-17)

ジャグラーの闇(M-17)

「めちゃくちゃ怪しいけど実は別人でした」というパターンにも落とせる感じだなあと思いながら見ていたんですけど、予備知識を持ってない人への配慮をしながら作っていたのが結果的にそう見えたということだったようで。

ここまでのヘビクラというキャラクターの見せ方からすると、「これまでのジャグラーを知っていればもっと楽しい」くらいの塩梅で進めてくれそうな気がしています。仮にZ本編からしか情報を得ていなかったとして「なんか怪しかった隊長がいきなり変身するし怪獣になったけど?」となっても、翌週に明らかに先輩ウルトラマンであるジード=リッくんとのやり取り、ギルバリスへの反応で過去作に出てたキャラクターであることを最低限伝えられることも踏まえての構成なのではと。

ジャグラーというキャラを知ってると冗談言ったり作戦名のセンスがなかったり、なんならオープニングのキャスト紹介カットの顔だけで面白いので過去作を見てた方が得するのは認める。でも知らなくても損はしないと思います。単純に二面性があるのは分かるのでヘビクラの時とジャグラーの時のギャップは楽しめますし。

 

下記のインタビューでジャグラーなりの目論見などは今後見えてくるとのことで、それも本作の縦軸の一つなのでしょう。「ジャグラーで隊長」ありきの出演だったにも関わらずこれまでの彼を知ってることを必須とはしないように展開してくれていてると思います。

視聴者としては「ジャグラーが出る」こと自体ではなく、「ヘビクラの目的が何なのか」に注目すれば楽しめるということですね。

これまでのジャグラーを見てきた人はファンサービスとして、ジャグラーを知らない人は今後他のウルトラマンを見るきっかけとして各々楽しめるのではないでしょうか。Zのスピンオフ的にオーブやジードに触れるというのは新規ならではの贅沢な楽しみ方かもしれません。

 

リッくん=リクくん先輩=ウルトラマンジード客演について(6話感想本編)

5話のジャグラーショック冷めやらぬ中、予め本作へのゲスト出演が告知されていたジードが6話で登場。

Geedの証

Geedの証

当然のように主題歌が流れる中戦います。坂本監督の客演回だもの。
それは置いておいても、ゲストということが分かり易く、原典(劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!)でもGEEDの証が流れる中、リッくんは「みんなでウルトラマン」という自分なりのヒーローとしての在り方を見出してギルバリスへトドメを刺したので、登場と共に主題歌を背負ってジード先輩が圧倒するのは大正解です。レッキングフェニックスの構えと演出完璧。

つなぐぜ!願い!!はめちゃくちゃ好きな映画なんですけどそれを話すのはここではやめておきましょう。

 

 

何かしらの目的の為にストレイジの隊長という立場を利用しているだけだとジャグラーは言うかもしれませんが、ギルバリスを見て咄嗟に退避を命じるヘビクラ隊長。ちゃんと隊長してるのがいいんだよなあ。そしてここは本気で心配してるんだな、ちょっと焦ったなというニュアンスが伝わる青柳さんの演技が絶妙…

リッくんとジャグラーのやり取りも非常に良かった。

単にジャグラーは就職すると知り合いに自慢しがちなのもあると思うんですけど(劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」)、状況整理の為に情報を聞き出しつつ、動きを把握するというか若干誘導しているようにも見え、リクのことを気にかけているようにも見え…ジャグラーであることが前回分かっているからこの作りができるわけで。

リッくんのさほど困ってはないけど「相変わらず変わった人だなあ」みたいな受け流し方も絶妙でしたね。

 

ゼットがジード先輩について語り出したのをゼロの弟子ってわけじゃとツッコミ入れてくれたのもよかった。リッくんにとってゼロって卒業後も繋がりがある学校の先輩くらいの距離感だよね、多分。

 

そしてリクを演じる龍臣くん渾身のゼットライザー仕様の変身バンク。仕上がってましたね。集うぜ!綺羅星(ゼロが颯爽登場しそう)

Zで新規に撮ったバンクはジャグラーもだけれど、ゼットライザーを使用するということでハルキと共通する要素もありつつ、それぞれ以前使っていたダークリング・ジードライザーでの演出に寄せて上手くまとめているのが面白い。

フュージョンライズ!は無理やりねじ込んだ感もあった(普通に劇伴でもよかった)けれどこの曲かっこいいからなー。使いたくなるよねわかる。

 

ジードとゼットの共闘ってことでギルバリスを押し切ってもよかったけれど、特空機のサポートを交えることでここまで築いたウルトラマンZらしさを失わない。

そしてオーブとゼロがダメージを入れ、ジードが主題歌を背負いながら仲間の支えがあってこそ自分がウルトラマンであることを宣言しながら倒したギルバリスを、今度はゼットの仲間のサポートを受けて、ゼットの主題歌を背負いながらジードが先にダメージを入れてゼットがトドメをさすという構図になるわけですよ…!

 

リッくんはドンシャイン(ジード作中で放送されている特撮ヒーロー)という心象ヒーロー像とでもいうべきものを持っていたり、またギルバリスと以前戦った劇場版で「ウルトラマン、ヒーローとはこうでなくちゃ」という焦りから挫折を経験していたりすることもあるので、ジードが先輩ヒーローたり得るほどに成長したことが実感できた、この展開はとても嬉しかったです。

 

戦闘後、ハルキは「リクくん先輩」呼びしてたけれど、一応Zの時間軸では年齢もリッくんの方が上になってそうな気はする…?時空飛び越え出すとよくわかんないっすよねその辺。まあリクくん先輩はしっくりくるし面白いのでよし。

しかし、リッくんって子供っぽいところはあったけれど基本的にいい子だったので成長すると立派な好青年になるんですよね。R/Bの映画に出た時も感じたことですが。

 

さてさて、こんなお祭り要素が盛り沢山な中で、5話ではヨウコとウルトラマンではなくストレイジとしてのハルキ、6話ではユカが話の軸になっていたり、ギルバリスへのリアクションを通じてジャグラーを描いていたりと限られた尺を有効活用して各キャラを動かしているのが光っているなあと。

リッくんがベリアルの息子であることはハルキに対して言わなかったのは7話でセレブロに狙われる引きにする為だろうけど、この流れだともう一要素被せてきそうな気もする…いやあ、楽しみです。

そして次回は我らが師匠、ウルトラマンゼロがやってきますからね!10周年記念読本にて色んな人に「ゼロが全力出せると全て解決しちゃう」と言われていたゼロですが、予告を見た感じ結構ギリギリまで焦らしてきそうなので、今回は戻ってきてからは圧倒的な強さを見せてくれるのではないかと!

そして坂本監督はそこでどの曲を流すのか…!またもや1週間楽しみで仕方ないです。

ULTRA FLY

ULTRA FLY

 

P.S.

最後にチラッと触れたゼロVSベリアル10周年読本ですが、キャスト(声優・変身前後)、監督、脚本、デザイナーと様々な切り口のインタビューでゼロ関連の裏話がたくさん聞ける本でして。ゼロを追ってきた者としては聞きたかった言葉が詰まりまくりの宝物のような本です。その中で特に田口監督のインタビューではウルトラマンZの企画立ち上げ時の話がたっぷり語られており、これを読むと安心して本作の今後に期待できると思いますので、かなりおすすめです。

ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本

ウルトラマン公式アーカイブ ゼロVSベリアル10周年記念読本

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)