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cosmic cuune 〜マクロスFの隠れた名作〜

混迷の2020年、突如発表された10年ぶりのマクロスFライブ!

SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ 2021[リベンジ]〜まだまだふたりはこれから!私たちの歌を聴け!!〜|MACROSS PORTAL SITE マクロスポータルサイト

開催方法を見定めているような雰囲気があり、どうなるのか落ち着かない部分はありますが…

一旦そのことは置いておいて、マクロスFの作品の中にこの時期にぴったりなクリスマスアルバムがあることはご存知でしょうか?

今回10年振りのマクロスF単独公演と銘打ってますが、その10年前のライブがこちらのアルバム、Cosmic Cuuneのリリース後に行われたクリスマスライブでした。

先日YouTubeにてエアマクロスFとしてダイジェスト配信された2008年のギャラクシーツアーFINALから2年後となるこちらも次のライブの予習にぜひ。ライオンのアレンジがかっこいいぞ。

 

さて、もうクリスマスイブですが!この記事ではライブ映像の方ではなく音源(アルバム)の紹介をさせてください!

このアルバムの曲は劇場版含めてアニメ本編では全く使われていないので、マクロスF楽曲の中では知名度が低い方になりますが挿入歌たちに負けず劣らずの8曲が詰まっています。

 

まずはランカの楽曲。

1. Songbird

4.ランカの「くつしたのうた。」

ランカ(まめぐ)の歌声って特に初期はその傾向が強い、純朴な響きが特徴だと思います。オリジナル音源の星間飛行のバランスなんて絶妙ですよね。あざとくない感じというか。もちろんそれには場数を踏んでないが故な面もあり、実際ちょっとこなれてきた頃のまめぐの歌い方はあざとい寄りな時期もあるのですが(それを経て今は上手に使い分けている印象です)、それでも彼女の声の持つ特徴として素直な、まっすぐで暖かい響きが好きです。

その元々の響きに加えて、TVシリーズ、劇場版そしてライブの中でランカもまめぐも経験を積んでいく中で、また別の暖かさとして、大きな包容力を感じさせるようになっていった印象があります。それが劇場版後篇のEDであるホシキラにて完成する一歩手前の時期である本アルバム。この2つの魅力がそれぞれに感じられ、ランカ・リーの集大成へと向かっていく2曲だなと思います。

 

次はシェリル。

5.リーベ〜幻の光

6.ふなのり

ランカと打って変わって、キラキラあったかいクリスマスという側面よりも冬の持つもの寂しさや儚さにフォーカスしたような2曲。シェリル・ノームの一面としてノーザンクロスしかりやはり情念を歌ってこそ、という方にはリーベは強くおすすめしたい一曲。シェリル、そしてMay'nさんの真骨頂ここにありです。

ふなのりはリーベよりは曲としては穏やかですが、こちらもまた異なるニュアンスで穏やかではない身を削るような深い愛を歌う歌です。今となって思うとこの声の掠れ方は後年May'nさんが取り除いたポリープの影響もあったのかなと思いつつ、ただ曲によってその揺らぎをある程度コントロールして味として使っていたようにも感じていて(同じような時期だとMay'n名義のMy Lovely Thingとか)。2010年当時のシェリル・ノーム starring May'nだからこそ表現できた儚さがパッケージされた一曲なのではないでしょうか。

シェリルさんは銀河の妖精としてきらびやかな存在でありながら、その出自によるところでしょうか、どこか孤独な感じや儚さを纏っているのがアニメを通してアルトやランカといった身近な視点から見ていなくても、歌から感じられて、それが作中で人を惹きつけてスターたらしめているんでしょう。それを歌から感じさせてくれるMay'nさんやっぱすげえよ…

 

さてさて!デュエット曲はまた雰囲気が変わります。

2.サイレントでなんかいられない

3.星間イヴ(星間飛行 christmas ver.)

8.タブレット

サイレントでなんかいられないはマクロス×クリスマスならではな、星や宇宙を感じる言葉を散りばめながら明るくクリスマスのワクワクを歌う、このアルバムで一番明るく楽しい一曲。やっぱこういうパーティ感も感じたいよねというのを満たしてくれます。

星間イヴは原曲と対照的にメロウな空気感を纏ったアレンジに。What'bout my star? @Formoもそうですが、ランカの歌にコーラスで寄り添っていく時のシェリルさんの温度感が好き。

タブレットはアルバムを締め括る一曲。後述するMerry Christmas without Youがほかのキャラも参加した大団円といった雰囲気なのでアンコール的な聴こえ方もしつつ、ここでマクロスに欠かせない要素である三角関係にぐっとフォーカスして締めています。アルトくんは罪な男やでしかし。シェリルもランカもお互いを思いやる優しさを持ち合わせながらなんとも切ない歌を歌っている名バラード。ぜひ2月のライブで今の二人に歌ってほしい一曲(まあそんなこと言い出したらシェリル名義、ランカ名義は全曲聴きたい)。

 

7.Merry Christmas without You / frontier stars

ここにはいないあなたへ向けたメリークリスマス。このここにはいない、という要素の重さは解釈によって幅があるんじゃないかなと思います。この頃はすっかりMay'nさん追っかけてる部員だったので、マクロスならではの宇宙を絡めたクリスマスソングが、サイレントでなんかいられないとこれとで複数パターン聴けたのが当時嬉しかったなあ。こちらはfrontier stars名義となっておりシェリル・ランカのみならずアルトを始めとしたほかのキャラも参加しています。

 

…とまあ、クリスマス前に書こう書こうと思ってすっかりクリスマスになってしまいました。

この記事を公開した2020年12月24日にはYouTubeマクロスFの動画配信(娘クリの編集版)もありますし、そこでライブの続報もありそうですし、そこに備えてでも、その後の余韻を噛み締めるのでも、楽しめること間違いなしですのでぜひCosmic Cuune聴いてみてください。