ぴよっと楽しく

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ミラクルリープ

今年のプリキュア春映画、ミラクルリープ見てきました。

プリキュア春映画を劇場で見るのは初めて(そもそもプリキュアを劇場で見るのがオールスターズメモリーズ以来2作目)。アクションも多く楽しいヒロイン共演でした。

まだ歴代映画履修してないのでふんわりとしか知らないけど、近年の春映画は現行の主役にフォーカス当てるパターンが多いのかな?

そのおかげでヒーリングっどの1エピソード感が強く、2020年の映画館事情のせいで10月末まで公開がずれ込んだものの違和感の少ないお話になっていました。

 

コロナ禍の影響に関して

本編スタート前の鑑賞マナー周知映像が。

静止画1枚(下記引用ツイートの物)の後、グレース・アース・ラテによるアニメという形でした。

こちらのツイートを見逃していたのでこのタイミングで知ったのですが、声を出す出さないに関わらずミラクルンライトの使用(応援行為)自体が禁止されているんですよね。

自分はもちろん入場者プレゼントの配布対象ではありませんが、前回劇場で見たオールスターズメモリーズにおいて、ミラクルライトのシーンで第四の壁を超えてくる構成がとても印象的で、プリキュア映画の強みの一つと感じていたのでこれは残念でした。実際、本作は元々3月公開予定で作られていたため、延期となっている間にセリフは一部変更したようですが、例年同様にライトの使用を促すような作りでしたし。

尤も、ツイートにも使われている静止画からグレースたちの映像という構成で、映像の方では立たない・声を出さないしか言わないこともあり、自分の見た時は気付かずに該当シーンでライトを使用している人が何人かいる、といった状況ではありましたが。

また、春公開予定であった為に追加戦士であるアース=アスミが仲間に加わって十分に時間が経つものの、今回の映画には不参加なことへのフォローもここでやっていました(今回は参加できませんが、皆さんと同じように心で応援しています的な)。

これもフォローがあってよかったと思う反面、想定通りの公開ができなかったことを感じざるを得ない為、何というか悔しい気持ちに。

 

本編(物語構成など)に関して

まずはヒーリングアニマル3匹たちがリフレインに出会うところから。ヒーリングっどはこの3匹がほんとにいきいきしていて作品を牽引してくれているのがいいですよね。本作でもいきなり表情豊かにわちゃわちゃしてくれます。

敵からリフレインと共に逃げ回る時に結構飛ばずに走ってて「いや飛ばんかーい」って思ったものの、"この場所がどこか"を丁寧に見せておいたことがラストバトルへ繋がったのはお見事。

このように本作は序盤から見せている背景等に無駄が少なかったところが非常に優れていた点だな、と。ループものあるあるとして、序盤では時刻やルーティーン等を意識させてマーカーを打つような話の展開があり、結局視聴者視点で3ループするのですが、出来事の多くにマーカー以上の意味を持たせるように工夫されていました。車に轢かれそうな少年を助けるという行動が2ループ目以降では、ループに気付いていない先輩組へ事情を説明する時間制限として機能したところとか上手かった。「半ドン」なんて花寺パパが急に喩えたのも回収されて気持ちよかったです(花寺ママの方が出演シーン、伏線的にも優遇されていたけれど)。普段運ちゃんやってるママがあんなおめかしして同窓会に行くってのにトースト焦がしてる場合じゃないぞ!パパ!

すこやか市の描き方に関しても、TV本編より田舎感が強いなーと思ったけどクライマックスの設定に繋がってたし。それとカメオ出演的な歴代要素もくどくない絶妙な塩梅でした。パジャマパーティーも伏線だと思ったのに違った…

 

歴代2作ご一行との絡み方としては各々すこやか市に遊びに来ている感じ。OPの裏でその様子が少し描かれた後はのどかとばったり会ってその後戦闘に参加…という流れなのであくまでゲストという位置に留まっていたイメージ。ぶっちゃけスタートゥインクルは全然見られてないので助かったような、もうちょっと知るきっかけにしたかったような。最近のプリキュア春映画はそんな感じが多いのかな?現在順に見ていっているところなので確認してみます。

 

自分が知ってるかどうかの違いもあったかとは思うのですが、主人公(ピンク)以外の出番はスタートゥインクルよりHUGっとの方がちゃんとキャラが立っていたような。あと妖精同士の絡みは全く無いパターンもあるんだなと(初期の春映画のイメージがあった)。戦闘への先輩2組参戦はなかなか力業でしたが、そこは割り切って1時間強でループものを成立させる方に舵を取っていたのは作品として正解だったと個人的に思います。

ヒーリングっど勢のキャラはTV本編が折り返したこのタイミングで見ても違和感はほとんどなくてよかったなー。制作時期的に多少の齟齬が起こっても仕方ないとは思うので。1戦目で「うちがめちゃくちゃじゃん!」ってつっこむスパークル=ひなたとかめっちゃひなた。

 

さて、流れとしては1戦交えた後にループし、2ループ目に。のどかたちはループを認識できていたものの大きく状況を変えることはできず2戦目→3ループ目で決着へ。といった形でして。

子供向けかつ1時間強という中でループを分かりやすく成立させるために洗練された3回だったと思います(作中で実は既に何度もループしてたという説明も入りつつ)。

 

1回目はまず現役3人のみで戦い、途中で先輩参戦により形勢逆転か?というところで巻き戻される。それぞれの変身バンクを見せたり紹介も兼ねていく。

 

2回目はミラクルンライトの力でヒーリングっど勢のみループを認識できるようになっているものの、状況が飲み込みきれずうまくいかないような状態。先輩たちへの説明はうまくいかないが、敵が現れる前に街の外れに行っておこうとか少し状況の改善を図る。

朝の出来事の中で、ループものあるあるな日常の小さなドジみたいな出来事があるのですが(転んだり、パパがトースト焦がしたり、水溜り踏んじゃったり)、それらは尽く同じように失敗を繰り返してしまう(のどかに「分かってたのにー」って言わせてるのも大事)。

1ループ目ではドンパチが気になってから駆けつけた先輩2世代は、のどかの様子が変だったから気になって…ということで頭から参戦。しかし前回手の内を見られていることもあり負けてミラクルンを連れ去られてしまう。

3本しかないミラクルンライトを持ってループを自覚できる役割を自分が引き受けるべきでないと心が折れかけたのどかを励ます先輩主人公2人。客演ものの醍醐味ですよね。ここで視聴者側に顔を見せなかったけれど、のどかと一緒に涙ぐみながら肩を支えるひなためっちゃよかった。ここでひなたの顔は終始映ってないし何かを言うわけでもないんだけど一緒に泣いて寄り添ってるのが伝わってきたんですよ。素晴らしいシーンでした。

 

そして3ループ目。

決意の朝

決意の朝

覚悟の決まったのどか。朝から前述の細々した失敗を全て解消していきます。決戦へ向かう雰囲気をバチバチに漂わせるBGM。のどかさんかっけえっす。

ここで気持ちの問題だけで状況がひっくり返ったのではなく、ループを自覚して両親との会話でも先手を打つようにしてたこととで、のどかママの小学校が鍵だと気付くという理屈があったのが上手い。プロローグの舞台や、この日のどかが普段歩かない道(TVシリーズでいつも見る風景より田舎っぽい)を歩いてひなたの家に向かっていたことなどが全て繋がった瞬間の気持ち良さたるや。

このループではちゆとひなたにそれぞれHUGっと、スタートゥウィンクル勢への説明を任せていて、ここでの2人の説得の仕方も個性が出ており、それが今見ても違和感ないものなのでやはり芯はブレずにシリーズ展開できているのだなあと。ちゆが根拠としてルールーの言っていた数字を引き合いに出すかと思えば、ひなたは「私もプリキュアだし皆がプリキュアなのも知ってるから!」というゴリ押しでまさにひなた!という感じでしたし。

 

リフレインとの最終決戦(その他アクション周りの感想も含め)

最終決戦と併せてここまでのアクション面も振り返っていこうかなと。全体的にアクションを見せようという想いが感じられる作りでよく動いていました。かつ、3ループする構成のため変身→戦闘の流れが程良い間隔で挟まれるのでテンポがよくて飽きずに見やすい。

まず1ループ目のヒーリングっど勢のみの戦闘に関してですが。ワンシーン監督がペギタンに精神を乗っ取られたんですかね、熱いフォンテーヌ推しがありました(笑)

しかしそのかかってきなさいのシーンめちゃめちゃかっこよかったんだよなあ、さすが唯一の運動部。フォンテーヌ=ちゆ推しの全国のペギタンは絶対見てください。

あと1ループ目でいうと先輩2世代のバンク技をきっちり見せてくれたこともポイント高い。客演時にこういう現役時代のお約束をまた見られることで「あの頃の高まり」に浸れるじゃないですか。きっちり皆使ってたので楽しかったな。助っ人としてやってきて必殺技で敵を追い込んでいく頼もしさがすごかった。先輩ヒーロー・ヒロインの醍醐味です。まあせっかくの出番でバンクだけになっちゃうともったいないなーという想いもあるのですが、本作は基本的によく動くのと、2回目は負けイベ感があるものの3回共全員で戦うので、バンクで尺使っちゃった感はなく充実していたなと。

動くといえば戦闘ではないけれど、のどかとはなが出会うところで、ぶつかった後にラテ様が着地するところも謎に2回きっちり見せてきたので制作陣のこだわりを感じました。綺麗な着地だったけどあれは一体…ww

 

2回目は一番控えめだった気がしてる(鑑賞時の記憶が薄れてきている)けど、戦ってるシチュエーションが1回目と違うしやられ方も派手目に描いてくれてたのでほんとアクション大作だなーと。

 

そしてラストですが、またシチュエーションも変わり、作品を跨いだプリキュア同士での連携ときっちりまた違う戦いを見せてくれました。ループしてるので正攻法では手の内がバレてるから違う組み合わせで戦うって件があるのもマメ。とにかく本作はやるべきことをきっちりやりつつ、それをノルマ的に消化するのではなく展開としての必要性を持たせている丁寧さがここでも光る。

 

ほんと強いて不満を挙げるとすれば妖精の皆がミラクルンライト振るところでラテ様だけ持たせてもらってなくてかわいそうなくらい。本作は敵がビョーゲンズじゃないおかげでラテ様ずっと元気だったし。俺たちの4番バッターラテ様ならライト振るくらい余裕よ(アース追加後の名乗りで最後ハイタッチしていくとこラテ様がホームラン打って帰ってきたようにしか見えない定期)

 

しかしなんといってもスーパーグレースですよね。

デザイン見た時は色薄くなるし締まらねーなーなんてことを思ってたんですけれど、すいません。はちゃめちゃにかっこよかったっす。バチバチにかっこいい挿入歌を背負いながらまーよく動く動く。ドラゴンボールか?

 

Circle Love~サクラ~

Circle Love~サクラ~

  • 北川理恵
  • アニメ
  • ¥255

 

映画に合わせて1枚シングル出てるの知ってたけれど、こんなアゲアゲな戦闘曲だなんて思ってもなかったのでとてもテンション上がってしまいました。そんなん好きに決まってるじゃん。2年前のリワインドメモリーに通ずる熱さを感じていたら作編曲が共に三好啓太さんとのことで。今後も注目しておかなければ。まだ氏の他のプリキュア曲は聴いていないのでそれも楽しみです。

 

スーパーグレースのアクション、挿入歌に関しては深澤監督のこだわりがかなりあったようで。自分が目にした関係者の証言は下記の2つですが、強化形態を必殺技撃って終わりじゃなく、熱い挿入歌と共にガンガンアクションさせて圧倒的に描くのは大好物なので監督とかなり波長が合う気がします。

特撮ヒーローの坂本監督作品のクライマックスに似た熱さでした。今後も深澤監督が担当する時は要チェックですね。

そんなこんなで最高潮を迎えた後、しっかり今回の敵リフレインへのフォローもあり。ギリギリ半ドンを経験してて母校の小学校が廃校になってる自分としては、リフレインの出自を思うと切なくなる部分がありましたね。人が、子供たちが減っていくあの物寂しさ、分かるよ…

こういう身近なネガティブな感情から生まれた敵を倒して終わりでなく、校舎の再利用・皆で花見という形で昇華させて救うところまであって綺麗にまとまった物語でした。今見ても十分面白かったのですが、本当に春にぴったりの作品に仕上がっていただけに惜しい。

 

そしてエンディングですが、久しぶりの前期ED。間奏のアレンジがキラキラしていていいなーと思っていたので、映画サイズということでそこも映像に使われていて楽しかったです。

 

次回作(来春のヒーリングっど秋映画)

そしてそして、公開前日に情報解禁されていた来春の劇場版予告!

劇場で流れる特報は思っていたよりしっかりした予告編となっていて、しっかり映画本編の映像を見られることができました。「大都会東京ならゆめアールとかいうすごい発明が流行っててもいいよね」という田舎者的発想好き。

そしてプリキュア5 Go Go!の皆さん。ちゃんとミルキィローズも動いてましたのでご安心を。5 Go Go!はとにかくOPがいいよね。2期のOPでいきなりCメロのクライマックスなメロディから始まって「みんなのおうえんが まってる さあ進もう 叫ぼう 一緒に」ですよ。

https://youtu.be/S0yDj-Oluk8?t=136

こんなん推しヒーローにされたら泣いちゃうもん。これを背負ってる先輩参戦だけに次はミラクルライトも振れる環境であってほしいなと願うばかり。映画までにできたらちゃんと見直したいけど2年分は大変だなあ…ww

さらに劇場版ならではなやつのチラ見せもあり、また盛り沢山な映画になりそうでわくわくです。おそらく香村さんが脚本を担当されるかと思いますが、オールスターズメモリーズの客演の捌き方が個人的に好きな作りだったので期待できますし。

また、緊急事態宣言下でニチアサとしてはいち早く新作放送が休止になったヒーリングっどTVシリーズですが、現状日常回も削らずにやってる雰囲気があり、終了時期をずらす方向で進んでいるとすると映画と本編のクライマックスが重なるタイミングにもなりそうで、来春は大いに盛り上がってくれることを願っています。